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カーナビの進化
一言で「カーナビ」といっても、今ではオーディオ機能と融合したもの、テレビが見られるもの、地図を更新する際にインターネットを使うものなどと高機能化が進み、多種多様になったおかげでカーナビを購入しようと思った時に何を基準に選ぶと良いか悩んでしまいそうです。
ポータブル カーナビだけをとってみても、最近は各メーカがいろいろなナビを商品化しています。しかも機能については高級なハイブリッド カーナビと肩を並べるくらい充実しているものが現れてきました。
ポータブル カーナビとハイブリッド カーナビの違いは何でしょうか?
まず位置性能に関する違いとして、ハイブリッド カーナビは自分が今どこにいるのかということを判断するために使うセンサーとして、角速度センサ(ジャイロ)、車速パルス、GPSの3つ(高低差の判定として加速度センサを使う場合は4つ)使用しているのに対して、ポータブルナビはGPSのわずか1つしか使っていないということです。
つまり、ポータブルナビはGPS衛星から送信されている電波を受信して位置を割り出すことしかできませんので、受信できなくなると当然ナビゲーション本来の機能を果たさなくなります。(GPSが受信できなくなってもそれまで走行してきた車の動きに基づいて、おおよその位置を表示する機能がついた機種もあります)
このようにカーナビが自分の位置を見失ってしまう可能性がある場所は、高速道路の高架下、立体駐車場、トンネルの中、高い建物が隣立した地域などです。このような場所では、車は動いているにもかかわらず地図上のカーマークはGPSを最後に受信した位置に止まったままになったり、場合によってはマルチパス電波の影響を受けてまったく違う場所に表示されることがあります。ポータブルナビを使用する場合、一部の場所で遭遇するこのような現象は、運転中の混乱を避けるため、あらかじめ頭にインプットしておく必要があります。
ではポータブルナビは使い物にならないのか? 決してそのようなことはありません。
2000年に実施されたGPSのシステム的な精度向上に加え、GPSのページに述べているように、現在は数多くのGPS衛星が打ち上げられ、日時に関係なく、常に自分の居場所を特定できる環境が整っています。
加えて、GPSの信号を処理する技術もかなり進んでいます。
電源を投入してからGPS受信機が自分の位置を特定するまでの時間は、この数年で飛躍的に向上しました。付け加えておきますが、GPS受信機はラジオやテレビとは違い、電源を入れてすぐには自分の居場所を特定してくれません。受信機が測位結果を出力するまでには若干の時間を要し、性能の良し悪しを判断する材料にもなります。
GPS受信機の性能向上は、車にエンジンをかけて走り出す直後、立体駐車場やトンネルなどのGPSの電波を捕らえることができない場所から捕らえることができる場所に出てきた直後の位置性能に貢献をしています。カーナビに最適なGPS受信機のソフトウェア技術も、ノウハウの積み重ねによって成熟しつつあることは否めません。
このように、GPSのシステム的な性能向上だけでなく、受信機の技術的な進化も手伝って、GPSのみを頼りにするポータブルカーナビは、「かなり使えるカーナビ」に変貌していることは間違いありません。今後もこの傾向は続くでしょう。
実際に色々なカーナビを使ってきましたが、ポータブルナビの位置性能は数多くのセンサーを使用しているハイブリッドカーナビには当然及びませんが、細かいことを言わなければ、実用的には何ら問題ありません。もう少し位置性能を良くしたければ、オプションで用意されているジャイロユニットを取り付けるという方法もありますが、現状では正直なところ、投資をする割には見返りの少ないオプション部品という印象です。良い物があるにもかかわらず、その能力が十分に発揮されていない感じがします。余力はまだまだありそうですので、メーカーの方の知恵や技術を生かして、うまい具合に解決して欲しいものです。
ハイブリッドカーナビとは取付け性も大きく異なります。
取付けの詳細は取付方法(準備編)、取付方法(手順編)のページをご覧いただくとして、ポータブルナビは基本的にナビ本体とGPSアンテナをダッシュボード上に設置し、電源はシーライターソケットに差しこみ、最後にパーキングブレーキコードを接続するだけで終了します。ハイブリッドカーナビなら接続する常時電源やアクセサリーなどの電源線、さらには車速信号、バック信号、イルミネーションの信号線など、面倒な配線をする必要がありません。当然、車の内装パネルを外したり、これらのコードを車の何処に接続しなければならないのかを調べる必要もありません。
つまり、車やカーナビに対して取付けの知識や技術がなくても、ポータブルナビは誰でも間単に取り付けることができます。取付けだけでなく、取外しも間単にできますので、他の車への載せ替えが簡単にできることもポータブルナビの魅力です。したがって、最近急増している車上荒らしによる被害を未然に防ぐことも可能になってくるわけです。ちなみに欧米では、高価なナビやオーディオは車上あらしの格好のターゲットになることから、車から持ち出しのできるポータブルナビやPDAをベースにしたハンディタイプのナビに人気があります。
ところで、カーナビのカタログを見ていて疑問に感じることはないでしょうか?
ポータブルナビに限らずカーナビを購入する場合、本来はカーナビの生命線である「位置性能」、つまり地図とのマッチング性能やGPSの測位精度に重点をおいて選ぶ必要があります。いくら機能がたくさんあっても、デザインが良くても、自分が今どこにいるのかという基本的な「位置性能」が悪ければ、カーナビとしての機能を果たさないからです。しかし、カタログを見ると簡単にわかる機能やデザインとは異なり、肝心な位置性能はカタログの何処を見ても明記されていません。
たまに、「高精度」とか「GPSの受信感度を向上した」などの表現は見かけますが、これらはうたい文句にしか過ぎません。例えば、GPSの受信感度を向上したからといって、カーナビのGPSは必ずしも位置精度が良くなるとは限らないからです。この場合、位置精度のみに着目すると、今の技術では反対の結果になってしまうことが多くあります。要するにカーナビの位置性能の良し悪しは、残念ながら使ってみないと分からないということです。
では、カーナビにとって最も重要な性能が、なぜカタログに明記されないのでしょう?
メーカーの立場になって考えると、地図の精度にバラツキがあること、GPSの精度も衛星の数や配置さらにはマルチパスにより一定ではないこと、GPS自体がアメリカにより管理されていること、明記しなければならない理由がないこと、ユーザーからの要求がないこと、明記すると後々厄介なことになるから、など様々な事が考えられますが、決してできないことではありません。
将来的には不動産業界の「徒歩1分80m」ではありませんが、例えば走行ルートや走行回数といった条件を決め、自車位置マークが地図上の道路を逸脱しないパーセンテージや、マークが実際の位置よりも後ろにいる、いわゆる遅走りが最大何メートルとか、数字を位置性能の仕様として明記してくれるとユーザーは判りやすいのですが・・・。
ともあれ、ハイブリッドナビに比較して安価なポータブルナビは、「かなり使えるナビ」であることは間違いありません。
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