Enavi Blog

2007/02/16

PSP専用GPSはPSP本体のノイズにより受信感度が劣化

昨年の12月、プレーステーション ポータブル(PSP)をナビゲーション機器として使用できるようにするナビソフトウェア「MAPLUS(マップラス)ポータブルナビ」と、GPS受信機「型式:PSP-290」が同時に販売されました。

筆者は新しいタイプのポータブルナビに期待し、詳細なレビューを掲載する予定にしていましたが、実際に使用してみると、その出来は期待値を下回るものでした。

その理由としてソフトウェアの完成度を指摘しましたが、どうやらそれだけではないことが分かってきました。

他の原因は、GPS受信機の性能、特に受信感度です。

一般的に、この2~3年以内に開発、生産されたGPSレシーバーの受信感度は、定評のあるGPSチップ、SiRF(サーフ)社のSiRF STARⅢをはじめ、その進化には目を見張るものがあります。

PSP-290の感度についても同等の性能を期待していたのですが、実はこれが良くありません。SiRF STARⅢを使ったGPSレシーバーなら、鉄筋コンクリートの建物内でも窓際に持っていくと難なく測位するのに対して、PSP-290は同様の環境下では(なかなか)測位してくれません。もちろん単品ではなく、PSP本体に装着してのことです。

そこで、その原因を探るべく調査を開始。もしかすると、「PSP本体のノイズが影響を及ぼし、GPSの受信感度が劣化しているのではないか」という仮定のもと、実験を行うことにしました。


その方法として、PSP-290が装着される位置に別のGPSレシーバーBU-353仕様はこちら)を仮設置し、GPSの受信感度を見比べることにしました。最初はPSP本体の電源を入れない状態で受信、次にPSPの電源を入れた状態で受信状態を確認します。そして、それらの性能に違いがあれば、仮定は裏づけられたことになります。

さて、実験結果です。※PSPはマンション室内の西側窓付近

1.PSP本体の電源OFF

2.PSP本体の電源ON

この結果から、PSPの電源を入れると、入れない場合比較して、各衛星の信号レベルが6~12dB(デシベル)程度、低下することがわかりました。また低下することにより、補足衛星の数も減少しています。また、このような状況下では、測位する場合は位置精度は悪化し、測位開始時間も遅くなります。


ついでに、「psp-290をPSP本体から離すと受信感度が向上するのか」、という検証も行いました。

その結果、PSP-290をPSP本体から遠ざけると受信感度が是正され、BU-353 と同じような受信状態になることも確認しました。検証には、約80cm長USB延長ケーブルと変換コネクタを使用。ただ、GPSレシーバーにはPSP本体から電源を別系統で供給しなければならず、これには多少面倒な作業が発生します。GPSレシーバーの延長ケーブルが発売されると、需要があるかも知れません。また検証の過程で気が付きましたが、「ホームスターポータブル」のGPS取得画面は、南北が逆転されて衛星の位置が表示されます。

この「GPS受信感度劣化問題」を解決するためには、PSP本体もしくはGPSレシーバー、あるいはその両方のハードウェアを改良するしか方法は無いでしょう。リアルタイムで処理を行う必要があるため、ソフトウェアのみで解決するのは難しいのではないでしょうか。

もっともメーカー側の認識が、現状は仕様範囲内であり、システム上何ら問題がないということであれば、改良されることは無いでしょうが・・・。

ちなみに、「PSP-290の下に金属板を貼ると感度が上がり、測位時間も早くなる。」との情報があります。根本的な解決方法とは言えませんが、このような状況では、他の要素が働き、良くなる傾向は否定できません。また、ノイズを主原因とする場合は個体差があり、現状の性能では、商品それぞれの性能に違いが出ることになります。

4月にはGPS受信機を使用するアプリケーション「みんなの地図2」が発売される予定になっています。仮にこのソフトがすばらしいモノであっても、ハードウェアの品質に疑問符が付く状況では、トータルとしての商品性には疑問を持たざるをえません。

注)「GPSレシーバー延長ケーブル」がオークションに出品されていますが、当サイトとは関係ありません。

9 件のコメント:

  • はじめまして

    質問をさせていただきます。
    PSP-290が装着される位置に別のGPSレシーバーBU-353(仕様はこちら)を仮設置し、GPSの受信感度を見比べることにしました。GPSレシーバーBU-353の設置はどのようにされたのですか。
    GPSレシーバーBU-353への電源供給はどのようにされたねですか。

    Anonymous 匿名 さんのコメント, 2007年2月23日12:13 に投稿  

  • 【回答】です。
    GPSレシーバーBU-353の設置方法について
     BU-353にはマグネットが内蔵されていますので、PSP本体の上面(PSP-290が装着される位置)に置いただけです。

    BU-353への電源供給の方法について
     パソコンのUSB端子から供給されます。

    ■記事の補足
    ・「PSP本体のノイズ」は大きく分けて、下記の2つがあります。
     1.PSP本体から放射され、PSP-290のアンテナにに入る「放射ノイズ」(輻射ノイズ)
     2.PSP本体からPSP-290に直接伝わる「伝導ノイズ」

    ・今回の実験で確認したことは、少なくとも「放射ノイズ」による影響はあるということです。

    ・大きさにもよりますが、金属板をアンテナの下に貼り付けることによりアンテナ素子の利得アップが期待できますが、その効果は受信感度の劣化度合いに比較して小さいものですので、対策としては不十分です。

    Blogger いいなび さんのコメント, 2007年2月23日22:27 に投稿  

  • GPSの性能が悪いのは本体のノイズだったんですね。
    もっと早く分かっていれば買わなかったでしょうが。でも、教えてくれてありがとうございました。

    Anonymous 匿名 さんのコメント, 2007年2月25日1:12 に投稿  

  • 教えてください。

    PSP本体から、PSP-290のアンテナに電源は供給されているのですか。供給させているのであれば、数値も合わせて教えていただければ幸いです。

    Anonymous 匿名 さんのコメント, 2007年2月26日16:38 に投稿  

  • PSP本体からGPSレシーバーに対して、USBコネクタ両脇の端子から電源が供給されているようです。ただ、いつでも出力されているのではなく、GPSを使ったソフトを起動した時のみのようです。
    電圧は、バッテリー駆動時も、充電用コードを本体に接続しているときも、同じく「3.24V」が出力されます。

    Blogger いいなび さんのコメント, 2007年2月26日21:28 に投稿  

  • 大変参考になる記事です。
    私はPSP+MAPLUSをバイクに搭載する検討をしており、実際に使ってみて入るものの指摘されているように一瞬でも高架に入るとGPS受信が途切れてしまいます。また、コールドスタートからのGPS受信は時間がかかりすぎです。自動車用のGPSと何が違うのか探っている間にここにたどり着きました。

    PSP本体からのノイズで感度が劣化するというのは気がつきませんでした。
    PSP-290の取り付けを延長して使おうと考えています。

    PSP-290への電源(電圧供給)は3.24Vでよいということでしょうか?
    ちなみにどちらが+でしょう?(テスターを使えば分かるかとは思いますが・・・)

    Anonymous モス さんのコメント, 2007年3月25日10:01 に投稿  

  • 端子は正面に向かって左が+、右はGNDです。
    電圧については、3.0~3.3Vあたりで動作するのではないでしょうか。

    Blogger いいなび さんのコメント, 2007年3月25日10:35 に投稿  

  • とても参考になりました。
    延長ケーブルが販売されたりしない限り、ハードウェアレベルの改善が必要ですね。

    早速、ワークアラウンドをさがしてみました。GPSを邪魔しているのは本体のノイズなので電源を維持したままノイズが少なくなる状態が必要だとみました。
    それで目を付けたのが、しばらく放って置くとLCDのみがOffになる状態でした。
    この状態なら、LCD以外にも電源供給されないデバイスがあるかもしれない→ノイズが減るかもとの推測でした。

    検証結果、80%(5回の内4回ほど)ほどの確率で普通失敗していた場所で測位が成功しました。
    また、カーソルを操作し続けてLCD画面をONに維持した場合は同様な時間が掛かっても測位失敗でした。

    Blogger WonYong Jung さんのコメント, 2008年1月2日14:44 に投稿  

  • 残念ながら、一度成功しても操作する間、また失敗に戻ったりします。

    自分が上に書いた方法はあまり有効ではありませんね。バッテリが浪費されるし。。

    Blogger WonYong Jung さんのコメント, 2008年1月2日14:49 に投稿  

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